有明先生と瑞穂さん
車が走ること3時間―――。




落ち着いた海沿いにあるひとつの旅館に到着した。


「青い空!」

「真夏の太陽!」

「海っ!」

「うみーーーー!!!」


車から降りた加津佐と国見が交互に大声で叫ぶ。


「恥ずかしいからやめろ」


有明先生が肩を鳴らしながらうーんと背伸びをした。


「お疲れ様でした」

「あいつらがいなかったらここまで疲れなかったんだけどね」


「おおっ?!
大胆発言ですなぁ!!
二人で来たかったと?!
ウヒョー、リサぁ、俺ら邪魔みたいよぉ?!」

「ひゅーぅ、有明ダイターン」


「・・・はいはい」


二人に構わず有明はトランクを開けて荷物を出した。


(慣れてるなぁ・・・)


それでも少しだけ、テンションが低い。







「うわぁー・・・!」


旅館の前に立ち瑞穂は感激する。


国見が
「あまり予算なくてボロい旅館予約したから期待しないでね」
なんて言ってたのでどれ程かと思っていたが、全然いい。

確かにそんなに小奇麗な感じではないし大きいわけではないが、『旅行!』という雰囲気を出すには充分だった。


「早く中に入ろう!」

加津佐と国見が走り出し、続いてその後ろを有明と瑞穂が歩き出した。
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