有明先生と瑞穂さん
「キャーーーッ!!」

「うーーーみーーーッ!!」


青い空、白い砂浜、潮の香り。

人の多さも程よく夏を感じさせる。


一定の時間をすぎれば旅館を出るのは楽だった。

とりあえず瑞穂はバレないようにパーカーをかぶり、国見と加津佐が有馬がいないことを確認して急いで外に出た。



「砂あつーい!」

「ひゃっふーー!」

すぐに服を脱いで水着になった国見が熱い砂の上を飛び跳ね、加津佐がレンタルしてきたパラソルを立てた。


その隣で無言でパラソルの下にシートを敷き、荷物を置いて腰掛ける有明と瑞穂。


「オイオーイ!テンション低いぞ!どうした!」

「ほらほら二人とも早く服脱ぎなよぉ!」



「いっ・・・いや・・・。
いやいやいや・・・」


浅く笑いながら瑞穂はブルブルと首を振った。




(全然考えてなかったけど・・・)


目の前で水着でピョンピョンと跳ねる国見を見てガックリと肩を落とす。

セクシーな黒いビキニの国見のスタイルのよさ。
服を着ていてもスレンダーだと思っていたが・・・


(腕も脚も・・・
いやなんかもう、全体的に細い。
何あの小尻・・・。
何あのくびれ・・・。
なのにどうして胸が普通にあるの?

何より・・・肌が超綺麗・・・)


テレビや雑誌のモデルなんてどれもCGで修正してると思っていた。

まさか本当に肌がどこもかしこも綺麗な人がいるなんて・・・。


瑞穂は世の中の不公平さを呪って、パーカーのチャックを首まできゅっとしめた。
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