有明先生と瑞穂さん
「おっ、今上がり?」

部屋に戻ると入り口の廊下で浴衣姿の有明先生と加津佐に鉢合わせた。


「男のくせに長風呂ねー」

「違うってー。ちょっと館内探索してたの!
卓球台とかないかなーって思ってたんだけどなかった。
マッサージチェアはあったんだけどボロいんだよなー」

「こんな狭い旅館にそんなものあるわけないでしょ」


そんなやり取りをしながら部屋に戻ると、すでに用意された料理が豪華にテーブルに並んでいた。


「うわあ~スゴイ!」

「もうすぐ吸い物とか、この鍋に火つけたりしに来るみたいだよ」

海沿いに立つ旅館だからか魚料理が豊富だ。

各テーブルにはビールも並んでいたがひとつだけジュースが置かれ、瑞穂の分まできちんと配慮されている。



「そういえばさっき露天風呂にいたら悲鳴が聞こえたんだけど覗きでも出たの?」


「ああそれ瑞穂ちゃん」


「お前、瑞穂さんにまた何かしたのか」


「失礼ねー」


男湯まで聞こえていたのか・・・・
恥ずかしい・・・
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