有明先生と瑞穂さん
「あっ!いやっ!違うんですよ!
ただちょっと古文の宿題でわからないとこがあったから、もし時間があったらついでに教えてもらえるかなーなんて・・・!
ほんとそれだけで!!」


必死に弁解するが加津佐と国見の目が冷たい。

それを見て有明がプッと噴出した。


「いいよ、どこ?見せてごらん」

「わ!ありがとうございますっ。
ちょっと待ってくださいね」

瑞穂は慌ててページをめくる。

「古文は俺が作った宿題じゃないんだけど、どれも答案がついて自分で採点するようにしてたはずなんだけど・・・」

「そうなんですけど・・・
あっ、ココです。
記号問題なんですけど答案のコレと違う気がして」

「ちょっと見せて」


二人を横目に国見が「つまんなーい」と愚痴をこぼした。

「料理ももうないね。どーする?」

「んーー・・・二人はあんなんだしィ」

「そーだ、近くにコンビニあったよね?
ちょっと外出る?」

「あっ楽しそーっ♪」


「えっ?!二人共、遊びに行くんですか?!
私も行きたい!」

瑞穂が振向くと加津佐が「だーめっ」と言って舌を出した。


「二人は真面目に勉強でも仕事でもしてなさーい!」

「なんでですかあ~。ズルイ・・・」

「いーじゃん!
うちらも少しはラブラブしてくるわよ」

「俺らが帰るまで二人とも仕事するなり同じよーにイチャイチャするなりご自由に」

「ええっ?!」


「俺らすぐ戻ってくるんだからやりすぎんなよ、有明!」

「馬鹿・・・・・・」


二人はいたずらっぽくニシシと笑うと部屋を出ていってしまった。

一気に微妙な空気になる。

こんな空間、どうしろと言うのか・・・。
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