有明先生と瑞穂さん
「信用ないなあ・・・前科があるから仕方ないけど。
でももうすぐ旅館の人も片付けに来るだろうし、変なことしないよ」


――そう言われればそうだ。
私は何をされると思ってたんだろう。



(私一人でやらしいこと考えてるみたい)



妙な罪悪感にかられて、ふぅっとため息をついた。



と、その時有明がそのまま手を瑞穂の手にすべらせ、優しく瑞穂を引き寄せる。


(・・・わっ)


椅子につまづきバランスを崩すと、有明が腰に手をまわして引き寄せた。


「先生っ?!」


慌てる瑞穂をよそに、つかんだ瑞穂の手のひらに口付ける。



「ひゃあああぁぁぁ!」



真っ赤になる瑞穂を見て有明はいたずらっぽく笑ってみせた。




「もしかして・・・
さっきからかった仕返しですか・・・?」


「さあ・・・・・・どうかな?」


さっきと違って余裕の笑みがにくい。
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