有明先生と瑞穂さん
自分の耳を疑った。

(キス・・・『して』?!)

目の前ではねだるような顔をして瑞穂を見上げている。


「い・・・・・・いやいやいやいやっ!
だめですよ!!無理ですっ!」

腕で突っぱねて体を引き離そうとするが有明先生は手を離さない。


「イヤ?」

「またそういうこと言う~~っ」

「・・・・・・」


しばらく考えるようにすると、もう一度瑞穂を引き寄せ瑞穂の体に頭を預けた。


(先生、一応ソコは胸です!)

なんて言えるわけもなく直立不動。
有明先生もしばらくそのままだ。


「・・・先生?」

やっぱり今日はなんだか変。

きっと今はお酒の力で甘えてるのだろう。

それは少しやつれているのと何か関係があるのだろうか?



「何か嫌なことでもありました・・・?」

「・・・・・」

先生は黙ったまま。

(もしかしてこのまま寝てるとかじゃないよね?)

目の前のふわふわした髪をそっと撫でてみると

ようやく先生は顔を上げた。



「・・・わかる?」

「今日は朝からずっと疲れてるみたいだったから・・・」

「よく気づいたね。
加津佐ですら気づいてないみたいだったのに」
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