有明先生と瑞穂さん
こんな隠れ方をするのは小さな子供だけだろう。
それ程に場所がなかったのだ。

このままではすぐにバレてしまう・・・
しかし他に隠れるところなんてない。


有明がさらにカモフラージュさせるためにありったけの荷物を瑞穂の上に積み上げ、なるべく自分に目が行くように仕向けてその荷物の山を見せないようにした。


あとは瑞穂が動かずに声を出さずにいれば・・・・・・




幸運にも有馬ともう一人の従業員は忙しいのかテキパキと仕事を進める。

有馬が仕事をしながらも有明先生に話しかけるので必然的にもう一人の従業員の目も有明先生に向いた。


そして5分としないうちに食器は下げられた。


だがこれで終わりではなかった。


「すぐにお布団敷きに来ますから!」


有馬が笑顔で言う。



(ううぅぅぅ~~・・・
辛い・・・!
早く終わってえええええ!!)



夏休みの楽しみだった旅行。

なぜコソコソと隠れなければいけないのか・・・


瑞穂は必死に息を潜ませながら静かに涙をこぼした。
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