有明先生と瑞穂さん
「飲みすぎた・・・
なんか目が冴えてるからちょっと外の風に当たってくる」


有明先生はふいに立ち上がり、ひとりでフラフラと外に出ていってしまった。


「おいおい、足取りあやしいけど大丈夫かよー」


そんな加津佐の声すら聞こえなかったようだった。



「ま、有明はシッカリしてるし大丈夫でしょ。
アタシ達は先に寝てよっか」

そう言って国見が一番に布団にもぐりこみ、その隣に加津佐が寝転んだ。

当たり前のようなその二人の行動を見て瑞穂はさらに躊躇した。


(なっ、なんか・・・
見てはいけないものを見てる気がする)


ただ男女二人が隣同士の布団に寝ているだけだというのに、やはり瑞穂には刺激が強いらしい。

そんな瑞穂の心境なんておかまいなしに

「瑞穂ちゃんも早くおいでー」

とのん気に国見が声をかけた。



しぶしぶ国見の隣の布団にもぐりこむと、何か思いついたように国見が顔を上げた。


「あっ!もしかして瑞穂ちゃん、有明のことが心配で眠れない?!」


「え・・・?いや、そんなことは・・・」


「んぁ~~?有明なら大丈夫だって~~」


すでに眠そうな加津佐がむこうを向いたまま、欠伸をしながらそう言う。


「あーでもアタシは心配だなー。
ねっ、瑞穂ちゃんも心配だよね?!」

「え・・・別にそん・・・」

「そうだ!瑞穂ちゃん、有明の様子見てきてくれない?!」


言いかける瑞穂をさえぎってまくしたてるように言った。


「い、いいですけど・・・」



国見の考えてることがイマイチわからなかったが押しに押されて返事をしてしまった。


(ま、もうちょっと眠くなれば部屋のこともどうでもよくなるよね・・・)
< 596 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop