有明先生と瑞穂さん
「さっきの加津佐達見て思い出したよ。
『教師になろう』って気にさせたのは加津佐達だったってこと。

さっき言ったように高校の頃、勉強できないあいつらに泣きつかれてばっかりでさ。

どう教えたらわかりやすいだろうとか

どう教えたら覚えやすいだろうとか

自分が勉強するより大変だったけど、それが加津佐達のテストに点数として成果が出た時は自分がいい点取るより嬉しくって。

何よりあいつらが『わかった』って言って喜ぶのが楽しくって

ああー

だから俺教師になりたかったんだなって思ったんだ」


ゆっくりとつぶやくその言葉はまるでこの綺麗な暗闇の中に吸い込まれていくようだった。




―――先生が『先生』になりたかった理由なんて考えたこともなかった。


同じように、加津佐や国見にも『美容師』になりたかった理由がある。




それじゃあ



私は?
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