有明先生と瑞穂さん
「先生・・・・・・?」



自分の出せる最小限の声を出すと、頭を抑えていた手がゆっくりと肩にすべり、ようやく顔を動かすことができた。


そのままそっと顔を上げると有明先生の顔が間近で嬉しそうに微笑んでいた。



「有馬さんは・・・?」

「大丈夫だよ。
一回こっちを見たけど気にせずに行ったみたい。
ごめんね。
なんか俺に抱きついてるのが可愛くて離せなかった」

「か、かわっ・・・?!」


笑いながら軽く言うその言葉にイチイチ翻弄される。


「・・・やっぱり先生酔ってる」


「ははは、そうかもね」


やはりからかわれてたのか、とブゥっと頬を膨らませると有明先生はそれを楽しそうにつついた。



「でも・・・」





「本当だよ」




もう一度先生の顔を見上げると少しだけ恥ずかしそうにしながら笑っていた。


有明先生の後ろに広がった夜空に散らばる星が、余計に先生を魅惑的にしていた。
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