有明先生と瑞穂さん
「最後でみんなでお揃いで何か買わないかって二人で言ってたのよ」

「お揃い?」

「いいねー。なんかそういう、学生みたいなノリがいい!」


加津佐の機嫌がコロッと直った。



「何買うの?」

「ストラップとかそんなんでいいんじゃない?」

「女っぽすぎるのはイヤだよ~」

「わかってるって」

「どういうのがいいんですかね?
やっぱりご当地系?」

「普通のでいいんじゃない?
変に目立ってお友達に聞かれたら困るでしょう」

「あっ、そうですね」



そんな会話をしながら売り場へ向かう。


「さっきかわいい雑貨屋さんがあったのよ」

「あっ、ここです。ここ!」


瑞穂と国見が指差す先には狭い店内に木や緑を使った自然をモチーフにした店があった。


ストラップはそんなに種類があるわけではないが、それを4人で選ぶ。


「こういうのなら近くでも売ってない・・・?」

「わかってないわね、有明はー」

「そうですよ先生。
こういうのは
『どういうのを買うか』
じゃなくって、
『いつどこで誰と買ったか』
が大切なんですから」



「晴ちゃんソレなんか、『いつどこゲーム』みたい」

「ちょっと加津佐さん!
せっかく私いいこと言ったのにどうしてオチつけちゃうんですかー!」


加津佐と瑞穂が揉めあっているのを尻目に
「そういうものなのか」
と有明はストラップを眺めた。



「あっ、じゃあこれならどう?」


「えっ?」



有明先生の手がひとつのストラップを指差した。
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