有明先生と瑞穂さん
「はは・・・覚えてたんだ・・・」

「私は素面ですから」

「そうだよね・・・」



ゴホンと咳払いをすると、少しだけ残った缶コーヒーを一気に口の中に流し込んだ。

余程慌てているらしい。


(確かに『キスして』なんて言われるなんて、こっちもよっぽどビックリしたけど・・・)


有明先生の反応がおもしろくて、ただじっと先生の顔を観察していた。



「いや・・・ウン・・・
えっと・・・その・・・

・・・・・・・・・忘れて」


必死に搾り出した言葉がそんなことで瑞穂は「ぶはっ」と噴出す。


「こんなに余裕ない先生初めて」


「・・・・・・や、俺どうにかしてたんだ。
ほんとに結構酔ってたのかも・・・

・・・いやほんとに・・・ゴメン・・・」


だんだん声が小さくなり、最後には「あーーーーっ」と言いながら頭を抱えてしまった。


「わっ!先生、前見て前っ!」
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