有明先生と瑞穂さん
「わ!悪いよ!」

「いいって。むしろこんなボロで悪いけど、ソレよりいいでしょ」


好意に甘えて足を通すと、慣れない履き心地で痛む指の感覚がなんだか嬉しい。



そのまま駅に戻り布津と待ち合わせ、祭りへ4人で向かう。

外は薄暗くなり人も増えてきた。
浴衣姿の人も見かけ、きっと皆同じところへ向かっているのだろう。


「布津は浴衣着てこなかったの?」

「俺持ってねーし、面倒だしな。
それより皆今日は華やかだなー!いいねいいねー!」

「そーよ。アンタ今日はハーレムよー?
きっと周りの人達みんな羨ましがってるのよ」

「いやそれは褒めすぎだろ」

「なんだと?!」

「ぐえ!」

有馬が布津を締め上げる。
よく慣れない浴衣で派手に動けるものだ。



「俺ノド乾いたからコンビニ寄っていいー?」

「出店で何か買えば?」

「だって高いんだもん。
出店じゃ食い物買うつもりだから」


きっと布津のことだからビックリするような量を買うのだろう。
< 624 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop