有明先生と瑞穂さん
すると有馬が張り切った声で「じゃあウチ手伝うー!」と手を上げた。


(下心丸出しだ・・・。本気で手伝う気あるのか?!)


そう思ったが他の女子も口々に「私も私も」とキャッキャと騒ぎ始める。


「いいんですか?
本当は生徒会に頼もうかと思ってたので助かります」


みんなデレデレしながら彼の笑顔を見ていたが、瑞穂はその様子を複雑な気持ちで傍観していた。


「でも資料室は狭いので2人程でいいんですが・・・」


有明が何気なくそう言った瞬間ここに見えない火花が散らされた。


(ああ・・・火花がバッチバチいってる・・・)


関わりたくないと一歩下がった時、ここぞとばかりに有馬が叫ぶ。


「ハイハイ!
ウチが言いだしっぺなんだからウチやるー!
ウチウチ!!」

さすがに他の女子も彼女の剣幕に押され、彼も「それじゃあ有馬さんに・・・」と決まってしまう。

他にも「じゃあもう一人は私!」と立候補するものもいたが半分は「有馬と一緒は・・・」と勢いは落ちていった。

ちなみに深江は「私も私も!」と必死にアピールしていたのだが・・・


その時有馬は瑞穂の手を引いて思いっきり上に上げた。


「うあっ?!」

「はーい!もう一人は瑞穂さんがいいでーす!」


他の女子の視線が一気に瑞穂に集中する。

(うわーーー!!やめてよーーー!!)
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