有明先生と瑞穂さん
その時、瑞穂がほっとひとつ息を吐いた。







「・・・なんだ、布津かぁ・・・」


「!」





「・・・・・・よかった」





―――『よかった』



寝ぼけているだけだ・・・。
そうすぐに理解できたのに。



もう一度、今度はさっきよりも強く唇を押し付けると瑞穂の手がぎゅっと布津の手を握った。


(瑞穂・・・・・・)




薄目を開けるとまつげが触れる距離で目が合う。
すると瑞穂は少し恥ずかしそうに目を閉じた。


勘違いじゃない。
自分を、受け入れてくれてる―――。


その事実が胸をきゅうっと締め付けた。



心臓が急かすように強く打つから、瑞穂が少しだけ苦しそうなのにそれでも息をする間を与えない程激しく――

ずっとずっと焦がれていたそれを、堪能するように。


もう片方の手を瑞穂の肩にまわせば瑞穂も答えるように背中に腕をまわした。
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