有明先生と瑞穂さん
「―――――っ!」


ぐっと眉間に力を入れた時、布津は初めて自分が泣きそうになっていることに気付いた。


あふれ出す、それは涙じゃない。

唇を離すと布津の唇からこぼれるように言葉があふれた。




「・・・・・・すきだ、みずほ・・・」



かすれた声。
あふれる気持ち。
それでもたった一言が今の俺の精一杯。





瑞穂が目を開ける。

一瞬のことなのに、まるでスローモーション。


重い瞼を持ち上げた瑞穂と、目が合った。



「―――――――!」




はっきりとしたその目に映された自分自身。






瑞穂が眉をしかめた。




「・・・・・・瑞穂?」
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