有明先生と瑞穂さん
本当はこんなこと、死んでも自分の口から出したくなかった。

確認なんてしたくなかった。


それでも、聞かずにはいられなかったのだ。



「・・・ち、違う。違うの」


瑞穂は膝を抱えたまま頭を振った。


「わけわかんねーよ。
どういう意味?
瑞穂ちゃんと言えって・・・」


本当はハッキリさせたくなんて―――



半ば布津は、自分は振られたのだと確信していた。

それでも瑞穂の口から聞くまでは――



そう思っていたのに。





「布津じゃ駄目とか、そういうことじゃないの。
わ、私が悪いの。

ごめ・・・ごめんなさい・・・」


「・・・・・・?」



全く、意味がわからない。
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