有明先生と瑞穂さん
終業式と同じように長い長い校長の話。

耳にはちっとも入らない。
それはいつものことなのだが・・・

布津の頭の中は瑞穂のことでいっぱいだった。


(意味わかんねえ・・・)


あれ以来、数回メールや電話をしてみたが連絡が取れない。返事も来ない。


布津は夏休み中、ずっと悶々と考えていたのだが何もわからないままだった。




(キス・・・されたのが嫌だったのかな)

でも抵抗はしなかった。
あの時の瑞穂は確かに受け入れてくれていたんだ。


(もしかして・・!有明と勘違いしたとか)

それはない。
だってあの時確かに俺の名前を呼んだんだ。


(フラれた・・・んじゃないんだよな)

だってあの時、瑞穂は違うと言った。



だったらなぜ、避けるのだろう。

『ごめんなさい』と瑞穂は言った。

俺に対して嫌悪感を持っていたり嫌っているわけではないらしい。



瑞穂が何を考えているのか。

それが全くわからなかった。
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