有明先生と瑞穂さん
始業式も終わり、職員室では簡単に話し合いが行われていた。

もちろん、内容は研修生に関してだ。


教頭が研修生を連れ、ひとまず大まかにお世話になる教師を一人一人紹介した。



「今回君ら二人の全体的な指導をして下さる先生が彼女、愛野先生だ。
国語担当で、主に図書室の管理をしておられる。
二人とも、彼女に何でも聞きなさい」

おっとりとした愛野先生が優しく笑って挨拶をする。

「至らない点もあると思いますが、どうぞよろしくお願いしますね」

それに二人の研修生も挨拶で答えた。



「若い子達の面倒なんて見れるかしら」

「ハハハ、生徒はもっと若いですぞ。
何をおっしゃいますか」


和やかな空気が職員室を包む。



「そしてこちらが有明先生だ。
君達とは一番年齢が近い。
他の先生方に聞きづらいことなどは彼に聞くといい」

「よろしくお願いします」


教頭の紹介の後、同じように有明も挨拶をした。


「よろしくお願いします」

「・・・・・・・・・」


研修生の二人も同じく軽く頭を下げた。

しかし・・・


「!」


髪の赤い方、口之津がギラリと有明を一睨みした。


(・・・・・・なんだ?)
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