有明先生と瑞穂さん
(うわーーっ!さ、最悪ッ)


身動きを取ることができずに瑞穂は身構える。



「何だテメー」

(が、ガラわるっ)


とてもじゃないが校内にいていい人物とは思えない。


しかし彼は自分のことを覚えていないようだ――・・・


(セーフ!)


「・・・ええっと、あのっ
こ、ここで喫煙は駄目だったと思いますっ・・・」


襲われたらゴミ箱を投げつけて逃げよう・・・

瑞穂の臨戦態勢はバッチリだ。


「あぁ?マジか。
どこだったらいいの?」


キレられると思ったが大丈夫だったようだ。


「た、確か・・・駐輪場の近くでよく先生達が吸ってるの見るから、そこらへんだと思います」

「フーン、ありがと。
今からゴミ捨てか?」

「は、はい・・・」


意外にも友好的だ。
しかし見た目が恐ろしい。

細くて背もあまり高くはないのだが、目つきが悪い。

赤い髪が目にかかっていてそれが余計に怖い。


それに何かのきっかけに万が一自分のことを思い出されたら―――・・・
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