有明先生と瑞穂さん
「本当に美人かどうかも怪しいな~」

「そうだね・・・好みってあるからね」

「なんだと?!」

「つか口之津先生、俺の女ってことは彼女かなんかじゃないんですか?
名前とかはわからないんですか?」

「名前は・・・わからねえ・・・」

「は?」


口之津は悔しそうに眉をしかめた。


(それ『俺の女』じゃないじゃん・・・。
もしかしてストーカーとかそういうタイプなのかな?
思い込み激しそうだし、ありえそう)


布津と深江の顔を見てみると同じような表情をしていた。
考えていることは同じだ。


「とにかく、すぐ見つけるってことは無理だから探してみます。
他にもなにかわかったことがあったら教えてくださいね」


そう言うと口之津は初めて笑顔を見せた。

結構子供のように歯を見せてニカッと笑う。


「そうか!おまえらいい奴らだな!
名前聞いてなかった。
なんて言うんだ?」

「私は瑞穂 晴です」

「深江 結~」

「布津 大介。俺らみんな2年1組」

「そっか!2年1組な。
しっかり顔覚えたから!」


その何気ないセリフ、少し怖い・・・。


深江は「なんでクラスまで教えるんだ!」と無言で布津をどついた。
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