有明先生と瑞穂さん
「はは、お世辞でもそう言って頂けて嬉しいです」


はっきり向けられた敵意をかわすのは得意だ。

思ったとおり、口之津は小さく舌打ちをしてそのまま黙り込む。


(子供みたいな奴だな・・・)





正直有明はイラついていた。

口之津の言葉にではない。



うだるような暑さのグラウンド。

そこでサッカー部や野球部を見学しながら校舎を見上げる。


――図書室の位置だ。



(今日は瑞穂さんはいるだろうか)






あの夏祭りの日以来、彼女と連絡が取れない。
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