有明先生と瑞穂さん
各部活に顔を出すたびに生徒の目を集めた。

不良のような口之津のガラの悪さに戸惑い、男子生徒は小浜に鼻の下を伸ばし、女子生徒は有明先生に目をやる。

その度に各顧問が生徒に声を上げて注意をした。


「みんな口之津先生と小浜先生が気になるみたいですね」

「ふふ、有明先生もやっぱり女子生徒に人気みたいじゃないですか」

「え?」

「あっ、や、やだ・・・私ったら・・・」


小浜は顔を赤らめた。
それを見て口之津は「ケッ」と不満げな声を出す。




「休憩ーーー!!」
ピーーーーッ!

体育館に入るとバスケ部部長の声が響き、その号令に従い部員がワラワラと散る。

練習中からこちらを気にしていた生徒もいたらしく、研修生の周りにはすぐに人だかりができた。

――といっても男子生徒の目的は小浜なのだが・・・。


有明はその人だかりに耐え切れずそっと場所を離れた。
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