有明先生と瑞穂さん
『瑞穂さんと連絡が取れないんだけど何か知ってる?』



なんて聞けるはずもなく。


(そんなかっこ悪いことできないよな・・・)

もし『瑞穂は俺を選びました』なんて言われてしまったら、正直この後正気でいれる自信がない。

それでもどうにか言葉を見つけて遠まわしにでも瑞穂の様子を聞きだそうとしている自分はすごく滑稽だ。

何も言葉が浮かばずに黙っていると、体育館を見つめたまま布津が口を開いた。



「・・・先生、瑞穂と最近会った?」

「・・・・・・いや」


一瞬、自分が言ったのかと思った。




「俺のこと、避けてるみたいなんだ・・・。
理由が、その・・・わかるような、わかんねーような・・・
なんかそんな感じでさ!
正直悔しいけど有明先生なら何か知ってるかなと思って」



驚いた。


不満げに眉間にシワを寄せながらではあるが、自分が言えなかったことを躊躇せずに聞いてくる。


自分とは根本から違う・・・。
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