有明先生と瑞穂さん



『有明がデレたーーーーーー!!!!』




「・・・・・・は?」





やっぱり馬鹿だ。
馬鹿でしかないコイツは。


・・・ああ、一瞬でもこの男に期待してしまった自分が情けない。



『お前ずっとそうだったらいいのに!暴力なんかふるわずに冷たい目なんか向けずにずっとそうだったらいいのに!』

「気持ち悪い。切るぞ」

『わあぁ待て待て!』


電話先ではヘラヘラと笑う声。
妙に恥ずかしいやら情けないやらで数秒前の自分の発言をかき消したい・・・。



「もういい・・・。本当に具合悪くなったから切る」

『まあまあ!
てか有明今仕事中じゃないの?!』

「・・・今日は貧血おこして早退したんだよ」

『えっ?!マジかよ!!
一人で大丈夫なの?!』

「だからお前を呼んでるんだよ」

『俺を利用する気だったのね?!』

「いつも人んち入り浸ってんだから少しくらい役に立て」



・・・半分くらいは、嘘だけど。
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