有明先生と瑞穂さん
まもなくして二人の前に派手なパフェが置かれた。
お腹のすいていない瑞穂にはちょっと重い。

「いっただきまーす!」

国見は目の前でそれをパクリと一口食べた。

(国見さんの前で緊張したら駄目だ・・・。
逆に気を遣わせちゃう)

瑞穂は肩の力を抜いた。




「私、このままじゃ駄目だって思ったんです」

「・・・・・・」

国見は表情を変えず黙って話を聞いた。



「布津のことは、知ってますよね?」

「ああ、瑞穂ちゃんに告ったっていう幼馴染の子だっけ?
なんかスッカリ忘れてたけど・・・
有明とイイ感じだからもうフッちゃったのかと思ってたわ」

軽く笑う国見に瑞穂は苦い顔をした。



「昨日、友達にも同じこと言われたんです。
『布津とイイ感じだと思ってた』って・・・」


国見は目を見開いた。


「自分でやってること、今まで全然気付いてなくって。
私ずっと二人に振り回されてると思ってたんです・・・。

でも、最低。

振り回してるのって私だったんですよね」


自嘲気味に笑う顔がまた少し強張った。
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