有明先生と瑞穂さん
「全然信じてない顔してる」

ズバリと見抜かれ慌てて目をそらす。


「アハハ。
私ってさー、女友達っていないんだよね、昔から」

「え?!」


ぼとり


今度は大きなクリームがひとつテーブルに落ちた。


「ちょっとさっきから瑞穂ちゃん、パフェテーブルに食われすぎ」

明るい顔をしてアハハと笑うその表情は、普段どおり凛としている。


「私の顔って元々キツいじゃん。
怖がって誰も寄り付かないんだ。
でも自分のやりたいこと変えてまでまわりに合わせることの何がいいのかわからなくて。
友達がいなくても、どこから発生したかもわかんないような噂を立てられても知らんぷりしてたの。
だって、友達なんていなくても別に困らなかったし・・・寂しいとも思わなかったのよ」


自分とは正反対の考え。
そういう人がいたことすら知らなかった。


だったら国見さんから見た私ってどういう風に映ってるんだろう。

全く魅力の感じられないものに必死でしがみついてる私って、何だろう・・・?



「好きなようにやって、他人のことなんか考えないで自己中に生きて・・・
それでも加津佐と有明は・・・・・・その二人は私と仲良くしてくれたよ。

二人とツルむようになっても好き勝手やってる私を嫌うこともなかったし、離れていくこともなかった。

だから瑞穂ちゃんも気にせずにそうしろーって、言いたいわけじゃなくてね・・・」


そこまで話して「あーやっぱり話すのって苦手だー!」と言いながらパフェをガツガツ食べる。


私のパフェはまだ全然減っていないのに、国見のパフェはもう半分もない。
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