有明先生と瑞穂さん
***


「有馬さん、結ちゃん、今日放課後暇?
たまには3人でどっかに行かない?」


瑞穂が人を誘うようになったとはいえまだ珍しい行動に二人は目を丸くした。



「・・・・・・」

それでも二人は少し考える。

布津の件を全然話してくれない瑞穂が不満なのだ。


「・・・布津君は誘わないの?」

深江が口を開いた。


「布津は部活だし・・・それに・・・」

話の途中で深江は立ち上がる。


「じゃあ結行かない!」

強い口調でそう言うと鞄を持ってそのまま出て行ってしまった。


「・・・・・・!!」


突然冷たい態度を取られ青ざめる瑞穂を有馬は「まあまあ」と慰めた。



「今あの子、虫の居所が悪いのよ」

「・・・・・・や、やっぱり私嫌われるのはやだな~~・・・」

「大げさだって!
嫌われてなんかナイナイ!!」


まるで子供をあやすように有馬は大げさに笑ってみせた。



「一緒にどこか行きたいところだけど放課後は有明先生が研修生と部活まわりやってるらしいんだよねー。
始業式、先生バスケしたらしいんだー!!
だからついてまわろうかなって思ってて。
だからそれまで、教室でじゃ駄目?」

「それなら・・・・・・」


有明先生に会うことがないなら――




・・・ずっと避けていられるわけではないのだけれど。
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