有明先生と瑞穂さん
放課後、教室は生徒も半分以下になった時、有馬は窓からグラウンドを眺めながら

「サッカーしてる有明先生が見たい・・・」

と独り言をぼやいた。



「そういえばうちの学校に超美人がいるらしいんだけど知ってる?」

「あー、深江と布津から聞いたよ。
あの赤い頭の研修生でしょ?
本当に協力してやんの?」

「協力って言っても・・・すごい美人なら見てみたいし」

「・・・きっとブス専か何かよ」


会わせずとも口之津先生と有馬さんは性格が合わなそうだ。
どう見てもお互いが嫌いなタイプ。
あの場に有馬さんがいなくてよかったと思う。




「それよりさ・・・布津のこと。
深江ってウチより事情知ってるみたいなんだよねー」

「えっ?!どれくらい?」

「さあ・・・布津からちょっと聞いた程度だと思うけど。
スネてんのもそれだからかなー?」

「ゆ、結ちゃんってさ・・・布津のこと、す、好きだよね・・・?」

「あ、気付いてた?
そうみたいなこと前言ってたけどよくわかんないなー。
それでも晴子と布津にはくっついてほしいみたいだし。
あの子の考えてることわかんない」

「え、そうなの?知らなかった・・・」


お互い知らないことだらけだ。

(当たり前だな・・・だって話さないもん)




「私ね・・・ほんとはまだ、隠してることがあるんだ」

「・・・うん」


まるで『知ってるよ』と言うような、全てを見透かしたような返事だった。
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