有明先生と瑞穂さん

「結ちゃん！！」

「！」


遠くから全力で走ってくる瑞穂に二人は目を丸くした。



「こんなところにいた！」

「え･･･結、今日は行かないって･･･」

「か、かくまって！！！！」



「え？！え？！」



「はァ～るゥ～こォ～～！！！！」



ものすごい巻き舌でドスの効いた叫び声が瑞穂の来た方向から聞こえた。


「ヒッ！」


慌てて物陰に隠れると反射的に布津と深江が前に立ち瑞穂を隠す。

するとすぐに般若のような顔をした有馬が全力で走ってきた。


「ウワッ･･･」

「あんた達ィ！！晴子見なかった？！」

「あ、あっちに走って行きましたー！！」


つい敬語。


「フシャアアアア！！！」


それを聞くなり有馬は人間とは思えないような声を上げて指差す方向へと走り去って行った。



「何だあアレ･･･。てか本当に有馬かアレ･･･」

「晴ちゃん、どーやったら有馬さんをあそこまで怒らせられるの？」


驚きのあまり深江の不機嫌はどこかへ飛んでしまったようだ。