有明先生と瑞穂さん
「彼もちゃんと言いたかったみたい。
本当は、もう会えないってわかってたから結に気持ちを伝えたのに・・・

結、全然知らなくて・・・。


知ったのは友達から間接的に。


結、今でも将来のことなんて全然考えてないのにさ・・・ソイツ偉いんだー。

もうずっと昔からやりたいことがあったみたいで


それで、遠くの学校に行くって決めてたんだって」


明るく話すのに
もう立ち止まっているのに
こっちを向いてくれない。



「ずっと傍にいて、それが当たり前だと思ってたんだけどなあ・・・」


黙って聞くことしかできなかった。


いつも優しくて、誰かのことを一番に考えてて、明るくて、かわいくて――


(でもそれだけが結ちゃんじゃなかったんだね)


深江の背中は寂しそう。
それでも泣かずに堪えているのに

瑞穂の頬に一筋流れる。


鼻の奥がツンと痛い。
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