有明先生と瑞穂さん
「こ、こちらは口之津先生です!」

「知ってるっつの」


瑞穂はテンパっている。


「こちらは有馬さんです!」

「別に聞いてねーし」

「ぅお・・・」


バチバチバチバチバチ
ガルルルル
グルルル


「行くよ晴子」

有馬が力いっぱい瑞穂の手を引くとようやく口之津から開放された。

「おい待て。今俺がコイツと喋ってんだよ」

「はあ?もう授業始まるんだけど」

「てめーが授業真面目に受けるってタマか?
それに敬語も使えねーのかてめー」

「敬語使えないのはアンタでしょ。
そもそも私をナニで判断してるの?」

「てめーみたいな勘違いした女共はみんな同じなんだよ!」

「意味わかんない。行こう、晴子」

「待てっつってんだろ!!」

「つかアンタは戻らなくていいわけ?ただの研修生サン」

「・・・・・・うぐっ」


口之津が言葉に詰まった瞬間、有馬が「勝った」というような笑みを浮かべ、その隙に瑞穂の手を引いたまま足早に歩きさってしまった。


(二人共こわーーーーっ!!)


瑞穂はひたすらオロオロしながら震えることしかできなかった。
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