有明先生と瑞穂さん
言いたいことだけ言うと口之津はふんぞりがえって自分の席に戻ってしまった。


「なんだか楽しいことになってきましたね」

「そうですか?」

隣でこんなに嫌な顔をしているのに、小浜は全然気付かずにニコニコと笑う。


「あ、あの・・・体育祭も・・・ですけど・・・」

ふと声を小さくして小浜が近づいた。


「はい?」

「き、今日、歓迎会ですよね?
あの、もちろん有明先生もいらっしゃいますよね?」

「ああ、行きますよ」


そう言うと小浜は嬉しそうに笑った。


「よかった・・・!
あっ、ええっとその・・・。
有明先生はお酒飲まれるんですか?」

「いや僕は車があるので」

「そうなんですか・・・」


小浜は肩を落としたが、有明としては仕事関係であまりお酒は飲みたくない。


「えっと、それじゃあ・・・あの・・・

今日お隣に座ってもよろしいですか?」

「え?」
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