有明先生と瑞穂さん
「あ！そ、その･･･
他の先生方とまだ慣れてないというか･･･
口之津先生もあんな感じですし･･･もし有明先生がよろしかったらなんですけど」

ソワソワと落ち着かない態度で恥ずかしそうに視線をあちこちに泳がせる。


「ああ、そういうことでしたらいいですよ」


明らかな小浜の態度にも有明は気付かずにニッコリ笑って返した。


（･･･ケッ）


口之津はそれを気付かないフリをしながらこっそり聞いていた。



***


歓迎会は駅の近くの居酒屋で行われた。

部活の顧問をしている先生達を除いてはほとんどの先生も集まり、教頭が乾杯の合図を取る。

何かきっかけがなければ教師同士で集まって飲むことなどないのでほとんどの先生が楽しそうだった。


「有明先生、お疲れ様です」


言ったとおりにしっかり隣をキープした小浜が有明にビールを差し出す。


「僕はウーロン茶なんで。
それより教頭先生あたりからお酌をした方が･･･」

「あっ、そうでしたね。ごめんなさい」


言われてはっと気付き小浜は席を立った。
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