有明先生と瑞穂さん
口之津はオレンジジュースをゴクゴクと流し込み、ダンッと音を立ててグラスを置いた。


「んなわけねーだろ!!
誰があんなブリブリした100%作りモンみたいな女!
俺はあんなのが一番嫌いなんだよ!」

「・・・・・・はあ」


口之津が大きい声を出すものだから他の先生まで興味を持ち始めた。

小浜が座っていた席に早速酔ったおばさん教師が入り込み詰め寄った。


「え~!早速恋バナですか?
有明先生もおとなしい顔してやりますねぇ~!
口之津先生仕方ないですよー。
有明先生カッコいいですも~ん!
あーでも私狙ってたのになあ~。なんちゃってー!キャッウフフフ」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

それを聞いて他の教師がドッと沸いた。

有明と口之津はゾッと背筋が凍った。


「あらー?お二人共お酒は飲まないんですか~?」

「僕は車なんで・・・」

「俺、酒癖悪いんで今日は飲まない方がいいかなと」

「えーつまんなーい!!」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

またしても二人は押し黙る。


そこにクスクスと笑いながら小浜が戻ってきた。

「吉川先生、駄目ですよ無理強いしちゃ」

助け舟に少しだけ感謝する。
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