有明先生と瑞穂さん
2時間もするとすっかり出来上がり、小浜もほろ酔い、結局飲まないと言っていた口之津も飲んでしまいそこそこの空気が出来上がっていた。


誰かが
「二次会はカラオケでも行きますか!」
と声をかけると数人が喜んで声を上げた。

年配や飲んでいない先生達はここで帰宅し、比較的若い教師達で二次会へ向かう。

酔って頬を少し染めながらもあまり変化のない小浜がまたこっそりと有明の近くに寄って来て声を掛けた。


「有明先生も二次会、行かれますよね?」

「いや・・・僕は・・・」

「有明せんせぇーー!
歌で勝負せいやぁあ!!」

「・・・・・・」


顔を真っ赤にして酔っ払う口之津の絡みはいつもより酷い。


「はは、皆さんで楽しんで来てください」

「ああッ?!逃げるんスか?!
また俺の勝負から逃げるっつーんスか」


有明の肩を組み、顔の近くでブハァと酒臭い息を吐いた。


「あ、あの・・・私も来てほしいです・・・」


小浜が有明のシャツをつまむ。

先程口之津の話を聞いて以来、どう接していいのか正直戸惑う。


「・・・わかりました。
でも僕本当に歌わないんで、いても楽しくないと思います」


そう言うと小浜の顔がぱっと明るくなった。


「いえ!有明先生がいればそれだけで・・・!」


言われるまで気付かなかったが小浜の態度や言動は結構あからさまだ。
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