有明先生と瑞穂さん
瑞穂さんの100メートル
放課後の図書室――
本を借りにくる生徒もほとんどいない中、瑞穂を含めて2人の図書部の生徒と顧問の愛野先生だけの図書室は相変わらず穏やかな空気が流れていた。
カウンターに瑞穂が一人貸し出しカードを整頓し、カウンターの奥の部屋ではもう一人の部員と愛野先生が痛んだ本の補修をしていた。
「失礼します」
「・・・・・・!」
そんな穏やかな空気の中、一人の来客によって瑞穂の全身に緊張が走った。
「あっ、こっ、こんにちは・・・」
「・・・久しぶり」
変わらない『教師の顔』で有明はニッコリと笑った。
「あらあら、有明先生どうされましたの?」
部屋の奥から声を聞いて愛野先生が出てくる。
二人きりではない空間に瑞穂は少しだけほっとした。
「まだ読書感想文を提出してない生徒がいますので、その子達に本を貸し出そうと思いまして」
「うふふ、苦手な子は本当に苦手ですからね。
私もよくそうやって本を選んであげて、書かせてますわ」
「何を読めばいいかわからないという子も多いですからね」
本を借りにくる生徒もほとんどいない中、瑞穂を含めて2人の図書部の生徒と顧問の愛野先生だけの図書室は相変わらず穏やかな空気が流れていた。
カウンターに瑞穂が一人貸し出しカードを整頓し、カウンターの奥の部屋ではもう一人の部員と愛野先生が痛んだ本の補修をしていた。
「失礼します」
「・・・・・・!」
そんな穏やかな空気の中、一人の来客によって瑞穂の全身に緊張が走った。
「あっ、こっ、こんにちは・・・」
「・・・久しぶり」
変わらない『教師の顔』で有明はニッコリと笑った。
「あらあら、有明先生どうされましたの?」
部屋の奥から声を聞いて愛野先生が出てくる。
二人きりではない空間に瑞穂は少しだけほっとした。
「まだ読書感想文を提出してない生徒がいますので、その子達に本を貸し出そうと思いまして」
「うふふ、苦手な子は本当に苦手ですからね。
私もよくそうやって本を選んであげて、書かせてますわ」
「何を読めばいいかわからないという子も多いですからね」