有明先生と瑞穂さん
結局有明が口之津を無理矢理引きずって図書室をあとにする形になってしまい、瑞穂との話は中断してしまう。


有明は密かにため息をついた。



図書室から有明先生達がいなくなった後、瑞穂も密かにため息をつく。


『だって瑞穂さん、電話も出てくれないしメールも返事くれないじゃない』

そう言った有明の言葉が頭の中をグルグルとまわる。


(確かにそうなんだよね・・・)



もう二人を避けないと決めた。

きちんと話そうと決意した。


それでも、有明先生とは学校以外では会う機会もなく、かといって電話やメールでは済ませたくない。


呼び出そうにも正直気が引けた。


そしてそのまま布津にも改めて話すタイミングをつかめないでいたのだ。





職員室までの廊下を歩きながら有明は聞いた。

「瑞穂さんとは仲がいいんですか?」

「晴っすか。
ああ、ちょっとあいつらとはイロイロあったんで」

(色々って何だろう・・・)


「有明先生は晴とは仲いいんスか?」

「・・・特別仲がいいというわけではないですよ」


口之津は特に気にするわけでもなく「ふ~ん」とそっけない返事をした。
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