有明先生と瑞穂さん

「ちょっ、ヤダヤダ！それだけは嫌！」

「何で？」

「目立つ！」

「そんなことねーよ」


口之津が軽くあしらうのですかさず体育教師に駆け寄る。


「先生～！何とか言ってください！」

「でもお前のタイムだと俺でもリレー出すぞ？」

「そんなーー！！」


瑞穂は天を仰いで落胆した。


「瑞穂さんってあんな大きな声も出すのねー」


人目を集めたくない本人の気付かないところで結構瑞穂は悪目立ちしていた。






やがて全員の記録を取り終わり正式にリレーの選手が決められた。


結局、瑞穂自身もあまり強く言えない性格もあり本人の意思は無視されて選手になってしまった。

布津も同じく選手に選ばれたらしく瑞穂とは反対に嬉しそうだ。



「･･････布津があんなこと言うからだ」


「うぇ？！」



忌々しそうにボソリと呟く声が聞こえ、布津は背筋を凍らせた。