有明先生と瑞穂さん
***



「晴子ー、今日から放課後リレーの練習するんでしょ?」

「そうだけど、どうして?」

「ウチ応援に行ってあげるわ。
飲み物とかいる?」

「結も!結も行く~!」

「えー、ありがとうー!
ちょっとやる気出たあー」



有馬とそんな話をしていたのが昼休みだったか。



放課後グラウンドに行くと有馬はどこで入手したのかカラフルなボンボンを持って黄色い声を上げていた。


「ッキャーーーー!!!
有明先生ーーーー!!!」


「・・・・・・」



部活動のあるすみっこでリレーの練習をするメンバーが集まる中、そこにはジャージ姿の有明先生が困惑顔で口之津に引きずられながら現れた。


騒いでいるのは有馬と他数名。

だがよく見ると学校の窓からや他の部活を見学するふりをしながら有明先生をこっそり見つめる女子生徒数名がいる。


「なんか有明先生、最近更にモテてねえ・・・?」

「ケッ、気に入らねえ!」


驚く布津の隣で口之津が密かに悪態をついた。



肝心の有明先生の顔にはありありと
『来たくなかった・・・・・・』
と書いてある。
それが少しおもしろい。
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