有明先生と瑞穂さん
日曜日、体育祭――



いつもより早く登校した生徒達は皆、忙しそうに準備を始める。

少し遅れて登校した瑞穂も急いで体操着に着替えて自分の係になった準備場所へと向かった。





「うるさいわね!!エラッソーに!」

「何だと?!」

(うわっ・・・早速やってる)


来客用のテントを立てている生徒の中で注目を集めながらいがみ合うのは口之津と有馬だ。


(はあ・・・朝から気分重いな)


クラス対抗リレーに出ることもあってか瑞穂のテンションは少し低い。



「・・・おはよ。今日はどうしたの?」


さすがに二人のやり取りに慣れた瑞穂はひとまず喧嘩を制止した。

なぜか瑞穂は近頃、口之津に気に入られているらしく、ある程度の言い分なら聞いてくれるので近頃は必然的に口之津の暴走は瑞穂が止めている。


「あっ、晴子ちょっと聞いてよ――」

「おい晴!お前からも言ってやれ!コイツに化粧と爪取れって!」


(ええ~?何で今更そういう話に?・・・ああ、めんどくさっ)
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