有明先生と瑞穂さん
「有馬さんのメイクとネイルは今更じゃないですかー・・・。
急にどうしたんですか?」

「馬鹿ッ!今日は体育祭だぞ?!
笑いあり・涙あり・感動あり・ハプニングありの青春のイベントをこんなチャラチャラした格好、許されるか!」

「うわあ・・・ハプニングはいらないなあ・・・」

「アンタにそういうクサいの似合わないっつーの!
不良かぶれのくせに、なぁにが青春の体育祭よ!!」

「不良はテメーだろうが!!」

「なぁあんですってぇ?!」

「どうせテメーみたいな女はえん・・・」

「お、落ち着いて落ち着いて!!」


再び睨みあう二人を慌てて引き剥がすと、話を聞いていた年配の男性教師が口之津をなだめた。


「まあまあ、口之津先生が言っていることも正しいが有馬君は何度言っても聞かないよ。ハッハッハ」


事実だろうが、ユルイ・・・。ユルすぎる。

しかし口之津は不満そうにしながらも他の教師の言葉に黙った。


有馬は「フン!」と言いながらその場を離れ、瑞穂も慌てて後を追う。
それを口之津が低い声で呼び止めた。





「おい晴!」

「え?」


呼ばれた方を振返ると、口之津はいつも見せないような表情でうなだれていた。
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