有明先生と瑞穂さん
「確かに口之津先生って、ちょっと子供ですけど・・・
しっかり生徒を叱れるし、それでいて打ち解けてるし、影響を与えることができる。
それってすごく先生に向いてると思います。
・・・まあ、私の個人的な考えですけど」

「お前・・・俺のことそういう風に見てたのか」


顔はむっつりしたままだけど、少しだけ口之津は嬉しそうだ。


「私が先生達の中で一番話しやすいのって口之津先生です。
怖いけど・・・悪い人じゃないってわかったし」



「お前・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・惚れるなよ?」



「や、それはないですけど」


話しながら瑞穂はテントの足になるパイプを持ち上げた。
口之津も黙ってテントの組み立てを手伝う。



「口之津先生って何で教師になろうと思ったんですか?」

「いきなりだな・・・」

「私の・・・知り合いが、教師なんですけど・・・
そういうの思い出した時、やる気出たみたいだから」

「ソイツは何て言ってた?」



瑞穂は皆で行った旅行の記憶を蘇らせる。

まだあれからそんなに立っていないのに

めまぐるしくいろいろなことがあったからだろうか・・・


すごく遠い日のように感じた。
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