有明先生と瑞穂さん
(こんな話題でも普通に会話できるんだ・・・)


内心ほっと安心する。

恋愛ごとには疎く告白なんてされたことのなかった瑞穂には些細なことでもわからないことだらけだった。


会話は弾み、気づけばマンションに到着していた。
30分程度だったが少し名残惜しい気がした。


「もう着いちゃったね・・・」


有明も同じことを考えていたようだ。


「・・・そうですね」


瑞穂は素直に返事をした。

有明は一瞬嬉しそうな顔をしたが瑞穂はそれに気づいていないようだった。

瑞穂が車を降りたときに、先に降りていた有明がポツポツと、自信なさげに小さな声で呟く。


「今度・・・一緒にご飯でも食べに行かない・・・?」


「・・・そんなの、誰かに見つかっちゃいます・・・よ」


言いかけた途中で瑞穂はデートに誘われたんだと気づく。
ハッとしたときにはもう遅く、少し残念そうに「そうだね」と有明は目を伏せた。
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