有明先生と瑞穂さん

「いや･･･あの！」

「ありあけぇ～～～！！！」


言いかけた時、有明の後ろから一人の男が抱きついた。


「うわっ！」

「･･････っ！加津佐（ｶﾂﾞｻ）！」


加津佐と呼ばれた男は身長が高く、オレンジ色の派手な髪をしていた。
年齢は有明とそう変わらなそうである。


加津佐は瑞穂を見てテンション高く驚きながら言う。


「おわっ！？女？！あれこれ女子高生じゃん？！マジで？！マジで？！
有明ヤベーじゃん！そうなの？！
生徒に手出してんの？！ヤベーじゃん！！」

（この人のテンション、犬みたい）


近くにテンションが高い人がいるとなぜか冷静になってしまうものである。

この時も瑞穂を見て騒ぐ加津佐に他人事のような目を向けていた。


その時、有明がゆっくりため息をつき機関銃のように喋る加津佐にチョップをする。


「あでっ！！」


瞬時に犬･･･加津佐は黙った。


（すごい、慣れてる！）

「彼女はうちの生徒だよ。マンションが同じなの」

「マジで！！あ！言われてみれば何回か見たことあるかも！！」

「だろ？」

「こ、こんにちは～」

（嘘？！私一回も見たことないんだけど）


こんなに目立つオレンジ頭だというのに気づかないとは･･･

瑞穂は今後はもうちょっと周りにも関心を持とうとひそかに反省した。