有明先生と瑞穂さん
有明はさらに力を込めたが――、限界だ。
これ以上は速く走れない。
それなのに布津はさらに速くなり、とうとう一歩
有明の前に足を踏み出した。
「ッキャーーーー!!有明先生ガンバレーーーー!!」
有馬の絶叫が聞こえる。
(・・・・・・くっ)
――もう駄目だ
そう思ったときだった。
ビンッ
「!!!
ふぐぇっ?!」
「?!」
斜め前の布津が何かにつまづき盛大に転んだ。
有明はそれを避けつつもすでに目の前にいた教師にバトンを渡す。
「うわっ!!馬鹿布津ーーー!」
隣では瑞穂が慌てて駆け寄り転がるバトンを拾い上げ、素早く走り出した。
テントからはどっと笑いが湧き上がる。
息を整え布津を見ると、蛙のように地べたに転がっている。
どうやら長いズボンの裾を踏みつけてしまったらしい。
「・・・・・・大丈夫?」
「恥ずかしくて起きあがれない・・・」
蛙のまま布津はゆっくりとした口調でそう言った。
これ以上は速く走れない。
それなのに布津はさらに速くなり、とうとう一歩
有明の前に足を踏み出した。
「ッキャーーーー!!有明先生ガンバレーーーー!!」
有馬の絶叫が聞こえる。
(・・・・・・くっ)
――もう駄目だ
そう思ったときだった。
ビンッ
「!!!
ふぐぇっ?!」
「?!」
斜め前の布津が何かにつまづき盛大に転んだ。
有明はそれを避けつつもすでに目の前にいた教師にバトンを渡す。
「うわっ!!馬鹿布津ーーー!」
隣では瑞穂が慌てて駆け寄り転がるバトンを拾い上げ、素早く走り出した。
テントからはどっと笑いが湧き上がる。
息を整え布津を見ると、蛙のように地べたに転がっている。
どうやら長いズボンの裾を踏みつけてしまったらしい。
「・・・・・・大丈夫?」
「恥ずかしくて起きあがれない・・・」
蛙のまま布津はゆっくりとした口調でそう言った。