有明先生と瑞穂さん
と、その時校舎の向こうから人の騒ぐ声が聞こえ、有明はハッとその方向へ顔を向けた。


「人が来た。早く加津佐連れて帰ってよ」

「えらく人目を気にする先生ね~。
わかったわよ。
今日夜加津佐と打ち上げにでも行こうかなー」

「何の打ち上げだよ・・・」


からかいながらも国見は生徒の姿が見えると、まるで有明とは他人のように歩いていった。



国見が行ったのを確認すると有明は騒ぎのある方へ駆けつける。

よく聞こえないが叫び声のようで、誰かが言い合っているようだ。


(喧嘩かな・・・。まさか他の学校の生徒と・・・?)


もしそうなら止めないと――



姿を確認する前に聞き覚えのある声が威圧的に怒鳴った。


「テメー、いつも馬鹿にしやがって!!」
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