有明先生と瑞穂さん
走って角を曲がったところでようやく生徒の姿を確認すると有明は目を見開いた。

そこにいた人だかりは全て、見知った人物ばかりだったのだ。


「もう一度言ってみろ！！」

「何回でも言ってやるわよ！」


口之津と有馬が言い争い、今にも手が出そうになるのを瑞穂が間に入り必死に引き離そうとしている。

「口之津先生！！問題起こさないって言ったじゃないですか！」

必死の瑞穂は今にも泣き出しそうだ。

「有馬も落ち着けって！どうしたんだよ一体！！」

前のめりになった有馬を後ろから羽交い絞めにしておさえているのは布津だ。

深江も泣きそうな顔をしながらオロオロとしていた。

他にも深江の隣に一人、おとなしそうな女子生徒が硬直していて、野次馬であろう生徒も遠くで傍観している。



「どうしたんですか！！」


驚いた有明が声をかけると全員がはっとして有明の顔を見た。
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