有明先生と瑞穂さん
「何があったんですか?
説明してもらえますか、口之津先生」


有明の問いにもフーフーと荒い息を上げながら、構うことなく有馬を睨みつけていた。



「この女、マジで許さねえ・・・。
何も知らねえくせに・・・
この女に俺の気持ちなんてわかんねーんだよ!!

何が『有明先生』だ!!
フザケんな!

真剣に人を思ったことのないようなチャラチャラした女に、何がわかるんだ!!」


有明を見て冷静を取り戻したはずの有馬もその言葉を聞いて再び声を張り上げた。


「あんたのそういうトコが嫌いなのよ!!

『チャラチャラした女』?

アンタだって一緒でしょ!!
私のことも、探してるその女のことも何にもしらないくせに、外見だけで判断して・・・

アンタのそういうところ虫唾が走るの・・・大ッ嫌いなのよ!!!」


「違うっつーんなら見せてみろよ!!
化粧ばっかして、遊び歩いて、適当に生きて、それのどこがチャラチャラしてねえんだ!」


「口之津先生!」

「二人共やめて!おねが・・・」


静止すればするほど力を入れて叫んだ。


「お前みたいなヤツはなぁ!
隠してても援交なんかして、キタネーやり方で楽に金を手に入れてんのはわかってんだよ!!
じゃなきゃテメーがそんなブランド物ばっかり持ち歩けるわけねえんだ!!
教師の間でもテメーには証拠がないだけでそういう話が出てんの知ってたか?!

そんなんだから人の恋愛を笑え・・・」



バシン!!



口之津の怒号を遮って、大きな音が鳴り響いた。
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