有明先生と瑞穂さん
誰もが一瞬、言葉の意味を理解できずにその場に固まる。

有馬も目と口を開いて、まるでさっきの口之津のように驚いていた。


口之津は構わずに叫んだ。



「ずっと・・・
それを伝えたくて探してたんだ!

お前がまさか次の日にはいなくなるなんて思わなくって・・・!!

だからずっと後悔してた・・・

なんでもっと早く言わなかったんだろうって!」


口之津は拳を握り締め、悔しそうに地面を見つめる。



「好きだ・・・好きなんだ!!」


「ちょ、ちょっと・・・っ」



人がいないとはいえ友達の前でこんな大声で告白されると、さすがの有馬も戸惑いを見せた。


瑞穂達は居心地悪そうにお互い目を合わせ、恥ずかしくなってうつむく。




「・・・っ、やめてよ」



有馬は小さな声で口之津を静止する。


そして言いづらそうに言葉を続けた。




「アンタが好きなのはウチじゃなくて、アンタ自身が作り出してた妄想のウチなの。
スッピンを知らなかったアンタの、ウチへの態度が本当の気持ちだわ。

そんな勘違い・・・押し付けられても困るのよ。

だから嫌いなのよ、アンタのこと」


「・・・・・・!」



躊躇しながら言う言葉は的確。

瑞穂達もそう感じていた。


恥ずかしくなるような熱い告白だけど、有馬の素顔を見て手のひらを返したようにしか見えなかった。
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